潜在価値開発とは、
まだ戦略素材として認識されていない価値を発見し、それを素材として新しい戦略仮説を生み出す方法論です。
潜在価値は、自社の中だけにあるわけではありません。
自社の歴史、技術、企業文化、人の経験。
顧客自身も言葉にできていない思いや問題。
市場の中でまだ誰も意味づけしていない変化や兆候。
そこには、既存の分析では見落とされている価値が存在します。
潜在価値開発は、それらを発見し、戦略へ転換します。
潜在価値とは何か
潜在価値とは、戦略仮説を生み出す見えざる資産です。
一般に企業は、売上、市場規模、顧客データ、競合情報、商品性能など、すでに見えている情報をもとに戦略を考えます。
しかし、見えているものだけから考えれば、他社も同じものを見ることができます。
生成AIによって既存知識へのアクセスが劇的に容易になった現在、この傾向はさらに強くなっています。
だからこそ、これから重要になるのは、
まだ誰も戦略素材として認識していないものを発見することです。
戦略は「問題」から始まる
潜在価値開発では、戦略の出発点を商品や競合ではなく、問題に置きます。
問題とは、単なる困りごとではありません。
あるべき基準と現状とのギャップです。
したがって、新しい基準を提示すれば、それまで存在しなかった問題を創ることもできます。
これを、潜在価値開発では**「問題の創造」**と考えます。
新しい問題が生まれれば、その問題を解決する新しい商品、新しい事業、新しいカテゴリーが生まれる可能性があります。
カテゴリーを創る
多くの競争戦略は、すでに存在する市場やカテゴリーの中で、どこにポジションを取るかを考えます。
潜在価値開発は、その一段上を考えます。
そもそも、そのカテゴリーは何の問題を解決するために存在しているのか。
そして、
新しい問題を発見したなら、それを解決する新しいカテゴリーそのものを創れないか。
と考えます。
競争の中で勝つのではなく、
競争の前提となる世界そのものを変える。
それがカテゴリー創造です。
4階層で戦略を考える
潜在価値開発では、戦略を4つの階層で考えます。
問題
↓
カテゴリー
↓
コーポレート
↓
プロダクト
最も重要なのは、上位から考えることです。
「この商品をどう売るか」から始めるのではなく、
この会社は、どんな問題を解決する社会的存在なのか。
そこまで上げる。
そのうえで、
どんなカテゴリーを創るのか。
企業はそこで何者になるのか。
そのためにどんな商品・サービスを提供するのか。
と下ろしていきます。
下位の問題を上位から解き直すことで、戦略の次元が変わります。
唯一性とは何か
潜在価値開発が目指すのは、単なる差別化ではありません。
唯一性です。
唯一性とは、他社より少し優れているという意味ではありません。
真似できない。
あるいは、真似したくても真似したくない。
その企業の歴史、思想、技術、人、顧客との関係などが結びつくことで、他社には簡単に再現できない戦略が生まれます。
唯一性は、奇抜なアイデアから生まれるのではありません。
自社の潜在価値を深く掘り下げた結果として生まれます。
戦略とは世界創造である
潜在価値開発では、戦略を単なる競争計画とは考えません。
戦略とは、自社がどのような世界を創る存在になるのかを決めることです。
新しい問題を提示する。
新しい基準を示す。
新しいカテゴリーを創る。
そこに新しい価値観が生まれる。
それは、新しい世界を創ることです。
だから戦略とは、最終的には世界創造なのです。
生成AIと潜在価値開発
生成AIは潜在価値開発そのものではありません。
潜在価値開発は、生成AI以前から存在する戦略理論です。
しかし生成AIによって、この方法を一部の専門家だけのものではなく、企業の中で多くの人が使える可能性が生まれました。
AIは、
問いを重ねる。
過去の情報を横断する。
仮説を広げる。
反証する。
構造化する。
ことができます。
さらに長期的な対話が蓄積されれば、個人や企業の経験そのものから潜在価値を探すことも可能になります。
ただし、AIが勝手に戦略を創るわけではありません。
最終的に何を選び、何を捨て、どんな世界を創るのかを決めるのは人間です。
生成AIは、その判断を支える思考の共創パートナーです。
最後
潜在価値開発が目指しているのは、優れた戦略案を外部から企業へ渡すことではありません。
企業自身が潜在価値を発見し、自ら戦略を創れるようになることです。
その能力を個人の経験や勘だけに依存させず、生成AIとともに組織の中へ蓄積する。
それが、私たちの考える
「企業の戦略思考のOSを革新する」
ということです。