週刊 企業と広告 誌上マーケティング講座

前提を跳ばす

2015.04.03
「空飛ぶペンギン」のマーケティング講座
第14回

月一回のペースでお送りしているマーケティング講座ですが、回を重ねて14回になりました。できるだけ順序よく体系的にお話しようとは思いますが、その時に気づいたことやトピック的なことも入れていますので、やや散漫になっているかな、という気もします。

 

そこで、根本のロジックをもう一度整理しておくと、

 

前提を跳ばす

 

という4ステップになります。 

 

前々回から、「どんな企業も陥りがちな罠」について、お話を始めたところですね。罠は現在のところ13個みつけていますが、これからまだまだ増えてくると思いますね。ただ、この13個を意識しておくだけで、失敗の確率が下がり、成功確率は上がると思います。

 

「前提を跳ばす」

 

前々回は、「自分のことはわからない」「市場を概観してしまう」の二つについてお話させていただきました。今日のテーマは「前提を跳ばす」です。

 

さて、「前提を跳ばす」とはなんでしょうか。

 

「前提」とは、企業が顧客は既に知っているはずと思っている基本的な知識です。しかしここに盲点があります。この基本的な知識を顧客は知らなかった、知らない顧客が多かったということが実に多いのです。これを知っているはずと跳ばしてしまい、うまくコミュニケーションができない企業が多いのです。

 

 ビモクリの顧客に銀行がいらっしゃいます。その銀行のカードローンのお仕事をお手伝いしたときのことですが、対象顧客の調査をしてみるとお金を借りたことない方はお金の借り方を知らないのです。皆様もご存じのように(ご存じではないかも知れませんが)、カードローンというのは、銀行に融資を申し込み、限度額を設定してもらい、カードを発行してもらって、銀行のATMで必要な金額を下すというものです。そんなことは誰でも知っているだろうと銀行も我々も考えていたのですが、そのことを知らない対象顧客は実に多かったのです。まずは、お金の借り方を教えたり、借りるにあたっての不安感の解消をする必要があったのです。

 

 また、弁護士事務所のお手伝いをしていた時のことですが、私はその所長にアドバイスしたのは、
「ほとんどの方はどうやって弁護士へ相談したらいいかをまったく知らないですよ。どこまでが無料で、どこからが有料で、そのあとどんな料金体系になっているのか、を。だからまず顧客に相談の仕方や料金体系をきちっと教えましょう。そのことが事務所の信用を高め、新規顧客開拓につながりますよ。」
ということでした。皆様もほとんどの方が相談の仕方を知らないと思います。私のそうでしたし、周りに聞いてみても同様でした。まず、そういう前提から、対象顧客に理解してもらわないと何も始まらないのです。

 

「どんな業界でもある」

 

 このようなことは本当に多いのです。企業戦略に直結するものもあるので、ここでは申し上げられないこともあるのですが、実はもっと多くの事例があります。

 

 皆様の業界でもこういうことは必ずあると思います。そういう視点で業界を顧客を見つめてみてください。新しい顧客へのアプローチ方法が見えてくると思いますよ。