週刊 企業と広告 誌上マーケティング講座

なぜ新メソッドか

2016.02.01
「空飛ぶペンギン」のマーケティング講座
第24回

 

今回はなぜビモクリメソッドをつくったかと言うお話です。

 

<従来のマーケティング理論の限界>

 
 私は1980年代後半ヤクルト本社にマーケティング部が新設された時、そこに配属され、マーケティングの担当となりました。部ができてしばらくは部員の中でどのような運営方針でやっていくか喧々諤々議論がなされましたが、中々方向性が定まらず、ダッチロールしていました。
 
 そしてバックボーンとなる理論と方法が必要だということに気づき、部員全員が外部のマーケティングの専門家(外資系のマーケティングコンサルタント会社の日本支社長・林広茂氏)について2年間学びました。教材は「プロダクトマネジメント」。このころ林氏が法政大学の小川孔輔先生等と共同で翻訳中だったものです。これはMITを主流とするマーケティング・サイエンスです。セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニングをより科学的な分析に基づいて実践するというもので、非常に体系化された内容でしたね。これを学んだことにより私の頭の中にマーケティングの体系が出来上がり、課題の整理がすっきりできるようになりました。

 
 単なる経験の集積だけではなく、マーケティングの体系的な考え方を専門家からきちんと教わるということはやはり重要だと思いますね。この経験がこの講座を書いている動機でもあります。
 
 ただ科学的な分析をするのに、そのころは大変な費用が掛かったということと、科学的分析に至るまでの過程に分析だけではうまくいかない領域があったことで、実践の過程ではうまくいかないケースもありましたね。この科学的分析に至るまでの過程というのが何度かお話している「情報開発」という領域です。
 
 その後セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング・4Pなどのマーケティングの従来からの基本概念が、いかに精緻に実施されたとしてもうまくいかないことがあるということがわかってきて、従来のマーケティング理論が限界に来ていると感じましたね。

 
 これらの概念が有効だったのは市場拡大期のシェア獲得が目的だった時代だからに他なりません。市場拡大期には一定のポジションを確立し、シェアさえ取れれば、市場の拡大とともに売上拡大・利益獲得ができました。しかし今は市場が縮小し、消費者の選別が厳しくなる中で、競争に勝つためには、従来の枠を越えたより強力な差別的優位性の構築が必要になっています。

 
<従来のマーケティングの概念を超える新視点の開発と提供>

 
 われわれビモクリは、従来の理論の限界を超える新たな視点を開発するために、様々な実践を繰り返してきました。その結果創り出したのが、従来のマーケティングの概念を越える新しい視点と方法です。それがいま「ビモクリメソッド」と呼んでいるものです。

 

ビモクリメソッド02

 
 ビモクリメソッドは、視野狭窄に陥らずビジネスの全体を俯瞰し、どんな企業も陥りがちな罠(死角)から抜け出し、今までにないような差別的優位性を創造し、マーケティングの最終目的である優良顧客づくりをプロセス化し、商品という視点を超える拡張の視点で顧客にインパクトをもって伝わる情報を開発する方法です。
 
 それによりいままでの枠を超えた強力な差別的優位性をつくることが可能となりました。その効果はビモクリのコンサルティングの事例で実証されてきています。

 
 ただこのようなメソッドが開発できたのも、従来のマーケティング理論を深く学んだことによるわけで、そのベースがなければ新しいものはつくれなかったですね。まずはしっかりとした体系的なものを学びバックボーンをつくる、これが重要だと思います。