週刊 企業と広告 誌上マーケティング講座

「唯一性の実現」

2017.01.30
「空飛ぶペンギン」のマーケティング講座
第34回

 
皆様、今年最初のマーケティング講座です。今年もよろしくお願いします。新年ですので、今回は本質的なお話をしたいと思います。
 
「ビジネスのゴールとはなにか?」
 
さて、ビジネスのゴールとは何でしょうか。
 
ゴールを明確にすること、これは極めて重要なことです。ゴールはやるべきことを決める判断基準でもあります。したがって、ゴールが不明確だと判断基準がなく、なにをすべきかがわからなくなり、ダッチロールしてしまいます。また、ゴールが間違っていれば、やることが間違ってしまいます。
 
皆様は、ビジネスのゴールをどのように考えていますか?
 
「売上をあげること」「利益をあげること」
 
でしょうか。
 
ピーター・ドラッカーは、
 
「ビジネスとは、顧客の創造である」
 
と言っています。そして、
 
「ビジネスにおける最も重要な機能は、『イノベーション』と『マーケティング』である」
 
と述べました。
 
ですが皆様、「ビジネスは顧客の創造」と言われて、どうでしょうか。ゴールのイメージは明確になったでしょうか。
 
ビジネスとは、「顧客の創造」でしょうか。私はピンときませんでしたね。私の考えでは、
 
「ビジネスとは、問題解決」
 
です。この問題解決という概念が入らないとビジネスということがわかりにくくなってしまうと思います。ですので、
 
「ビジネスとは、問題を解決して、顧客を創造すること」
 
ということになります。すると、
 
「イノベーションとは、問題解決方法の開発」
「マーケティングとは、開発した問題解決方法を伝えること」
 
になります。よりゴールが明確になったのではないでしょうか。
 
「唯一の存在」
 
そして、「顧客が創造」された状態(ゴール)を私なりにより明確にすると、
 
「顧客に『自分の問題を解決してくれる唯一の存在』と思ってもらうこと」
 
となります。重要なのは、
 
「問題を解決してくれる唯一の存在」
 
ということです。「唯一」と思ってもらうことは、以前お話したようにブランディングの究極の姿でもあります。これは顧客に直接接している企業でも、直接接していない企業でも同様です。顧客に直接接していない企業ほど、このことを忘れやすいので注意が必要です。
そのためには、
 
「顧客の事を誰よりも理解していること」
「自分のことがよくわかっていること」
 
が必要です。つまり、孫子の
 
「彼を知り、己を知れば、百戦危うからず」
 
です。しかし、この講座でいつもお話しているように、
 
 「顧客の求めていることを深く理解すること」
 「自社の本当の強みを知ること」
 
この二つのことは、いずれも、大変むずかしいことなのです。なぜなら、いずれも無意識化し、潜在化しやすいするからです。
 
ただこのようにゴールを明確にすることにより、潜在化した顧客の問題や自社の差別的優位性を探り出すことの重要性がより理解できたかと思います。
 
ビジネスのゴールは、
 
「顧客に『自分の問題を解決してくれる唯一の存在』と思ってもらうこと」
 
というゴールを明確にした上で、「彼を知り、己を知って」、ビジネスを進めていっていただければ、と思います。