週刊 企業と広告 誌上マーケティング講座

ビジネスの重要な基礎技術とは? 復習

2014.05.24
「空飛ぶペンギン」のマーケティング講座
第4回

前回から大分時間が空いてしまいました。前回までのことはすっかりお忘れになったことでしょう。ですから、ちょっと復習を。

 

企業を顧客もなかなか自分のことはわからない中で、どのようにして自社の差別的優位性を発見し、それを表現化していくか。その課題を解決するのが、リサーチである。ただ、リサーチは必要な場面で実施されていないし、実施されていたとしても適切にやられていない、というのが前回までのお話でしたね。さてそのリサーチをどうやっていくかということが今回のお話です。

 

「なんだリサーチの技術論か、自分はリサーチの専門家でもないし、そんな細かいことに興味はないよ。」と思われる方もいるかもしれません。その考えは改めていただきたいですね。私の30年超の経験からいうと、リサーチ能力、またはリサーチ会社を使いこなす能力は、マーケティング能力に比例します。

リサーチとは、前回でも述べたように情報収集です。正しい情報なしに、どうやって適切な判断や新しい企画を創ることができるのでしょうか。リサーチで取るのは、最も役に立つ直接的な一次情報の顧客情報です。自分で直接リサーチをしないにしても、リサーチ会社を使いこなせる能力が必要です。

 

くどいようですが、マーケティング能力を高めるために、ぜひリサーチ能力を高めることに、目指していただきたいですね。

 

「仮説形成ために」

 

リサーチの活用方法としては次の二つです。

仮説形成  商品・広告のコンセプト等の企画立案のためのリサーチ

仮説検証  商品・広告コンセプトを検証するためのリサーチ

私は仮説形成のためのリサーチを、特に重要視しています。何をするにしても、仮説がなくては始まりません。それが自分の経験のみからの思い付きなのか、顧客の意見をベースのしたものか、は大きな差です。仮説形成のために使うリサーチ手法は、いわゆるグループインタビュー調査です。

ヤクルト本社の広告部長時代には、毎年9月~10月頃に、次年度の広告企画のためのグループインタビュー調査を大体5、6ブランド、合計30~40グループくらいやっていました。そして、私はほとんどすべてのグループに参加していました。だから、この期間はほとんど毎日のようにリサーチのスケジュールが入っていましたね。

 

「すべてに優先する」

 

なぜすべてのリサーチに最優先で出席するのか。それは、顧客からの直接情報がどんなものよりも、重要な情報だからです。顧客とのコミュニケーション、ここからしか有効なビジネスのアイデアは生まれません。自分で直接聞かずに部下から報告させた場合、部下の解釈が入ってしまい、一次情報ではなく人の解釈が入った二次情報になってしまいます。

 

「社内説得のためにも」

 

もし社内の人間との打ち合わせを優先し、社内の人間と情報交換したとしても、それはその人の解釈と意向が入った情報で、二次情報です。私は社内のコミュニケーションより、まず顧客とのコミュニケーションを優先します。そのほうが、社内調整する場合でも効果的で、社内の人間がどう言おうが「お客様はこう言ってますよ。」と言えば、反論しようがありません。それは私の意見ではなく、顧客の真実だからです。社内の人間同士の意見を闘わせても、どちらが正しいか、本当の意味では白黒はつきませんが、顧客の言っていることは次元の違う一次情報ですから、必ず勝ちますよね、普通は。

つまり、顧客のリサーチデータは企画のためのアイデアのベースデータであり、社内説得の材料でもあります。しつこく申し上げているリサーチの重要性、きっと理解いただけたと思いますが、いかがでしょうか。

 

次回は、秘密?です。