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誌上マーケティング講座

週刊「企業と広告」

  • 「空飛ぶペンギン」のマーケティング講座 第17回
  • 2015年06月29日

顧客のことがわかっているつもり


 陥りがちな罠のおまけです。B2B企業にありがちなお話です。


【顧客のことをわかっているつもり】


 B2B企業は営業が顧客と直接接しているので、顧客のことがわかっていると思っているようですが、本当にそうなのでしょうか。
 
 私はB2C企業だけでなく、B2B企業にも
「顧客のインタビューをしてみたほうがいいですよ。自社のことがなかなか伝わっていないことがよくわかりますから。」
とお勧めしています。

 私はB2B企業の顧客インタビューも数多く手掛けていますが、そのインタビューを実施してみると、B2B企業のご担当者が「こんなに当社のことが顧客に伝わっていなかった」と愕然とする場面に遭遇することが多いのです。

 国際的な計測器械メーカーの顧客インタビューをしたときのことです。
 
 そのメーカーは一つの商品を売っているのではなく、もっとトータル的なソリューションを提供できる企業なのですが、顧客をインタビューしてみるとある単品の商品しか認識されていなかったのです。もっとトータル的なソリューションを提供できるということは顧客に全く理解されていませんでした。

 インタビューの中で、トータルソリューションの内容を文章化して、評価を取ってみると
「えー!そんなことまでしてくれるの。知らなかった。」
という反応が返ってきたのです。

 このメーカーの事例は決して例外的なものではありません。こういうことは実は非常に多いのです。

 営業が直接顧客と接しているから、顧客のことはわかっているというのは、「思い込み」に他なりません。わかっているつもりなので、外部を使って顧客インタビューをして、顧客の理解を確認する企業などほとんどありません。
 また営業の方は外部に顧客のことを聞かれるのを非常に怖がります。一体顧客からなにを言われるのだろうということでしょう。したがって、企業と顧客のギャップはどんどん広がっていくのです。
 
 実際に顧客インタビューをしてみると、顧客は自分の意見をしっかり聞いてくれたと喜びますし、顧客の意見を聞く姿勢を評価するのです。これは顧客の信頼を高めることに繋がります。

 「顧客のことをわかっているつもり」。
これはB2B企業が陥りがちな大きな罠なのです。

 どんな企業も陥りがちな罠についてずっとお話してきましたが、どんな企業も抜け落ちているステップが、「差別的優位性をうまく表現する」表現開発の中の「情報開発」です。このことを分かっていてきちんとやっている企業はほとんどありません。

 「情報開発」こそ最大のポイントなのです。

 この「情報開発」をきちんとやることが「どんな企業も陥りがちな罠からの脱出方法」です。次回からは情報開発の方法についてお話していきます。