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誌上マーケティング講座

週刊「企業と広告」

  • 「空飛ぶペンギン」のマーケティング講座 第6回
  • 2014年05月24日

難しいのはなに?


【もっとも難しいことはなに?】


 前回「ビジネス成功の12条件」を提示させていただきました。いかがでしたでしょうか。
 
 その中で、ビジネスモデルとマーケティングの思考の方向性が全く違うということはお話しました。ビジネスモデルは差別的優位性という、他が真似できないその企業独自の特殊解、唯一解を求めるもの。一方マーケティングは、優良顧客づくりという最適解を求めるもので、他の真似をしてもいいものであるということを述べました。

 さて、この12条件は、掛け算ですので、この中でひとつでも欠けてもビジネスはうまくいきません。 では皆様、この12条件のなかで、最も難しいと思われることはなんでしょうか。ちょっと考えてみてください。
 
 私が主催するセミナーでは、必ずこの質問をします。すると多くの方がお答えになるのが、
1の「顧客の求めているものを見つける(ニーズの発見・選択)」と、3の「競合に勝てる(競争優位性)」です。
この二つは確かに難しいですね。

 ただ、皆が難しいとわかっているのです。認識のズレはないので、このようにはっきりわかっていることは、実行することは難しくても、認識のズレによる変な間違いはしにくいものです。ところが認識のズレが特に大きいものがあります。




【うまく表現することは難しい?】


 そういう意味で私が経験上最も難しいと思っているのは、実は5の「差別的優位性をうまく表現する(表現開発)」です。
 前にもお話したように、自社の差別的優位性を理解することは、人が自分のことを客観的にみるのが難しいように難しいものなのです。自社の差別的優位性は自社にとって当たり前すぎて、見ているのに見えないという死角になりやすい領域であるのです。
 
 また、表現するにあたっては、供給側の視点(機能性等)を消費者側の視点(ベネフィット)に転換しなければならない。これもリサーチなどで消費者に常に接していて、消費者感覚を体感していないと中々うまくできないものなのです。どうしても供給する側の視点のみで見て、表現をつくってしまいがちです。 そういう二重に錯覚しやすいという意味で、認識のズレが生じやすく、非常に難易度の高いこととなるのです。


【表現されないものは、存在しない】


 その企業にいくら差別的な優位性があっても、それが表現されて、伝えられなければ、存在しないも同然です。いかに表現することが重要かがわかりますよね。
このことを本当によくわかっている方は意外に少ないと思います。 この講座の読者の皆様は、ぜひこのことをよくご理解いただければ、と思います。