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誌上マーケティング講座

週刊「企業と広告」

  • 「空飛ぶペンギン」のマーケティング講座 第31回
  • 2016年09月26日

新カテゴリー創造の現場から


 8月は本当に濃い仕事をしていました。燃えていましたね。

 この話はクライアントから公開していいという許可をいただいているので、実名でお話できます。

 京都に堀場製作所という世界的計測機器メーカーがあります。この会社がビモクリのクライアントです。

 創業者も有名な方で、堀場雅夫さん。『おもしろおかしく-人間本位の経営』『イヤならやめろ! 社員と会社の新しい関係』『出る杭になれ!-「いい人」やめれば仕事ができる』など著書も多数あり、著書の題名からもわかるように、ベンチャースピリット溢れる経営者。昨年90才で亡くなられました。

 著書の題名でもある「おもしろおかしく」が社是。1000億円を超える規模になっても、今なお、創業者のベンチャースピリッツが息づくユニークで超優秀な企業です。自動車の排気ガス計測世界シェア№1。半導体の生産過程における薬液計測世界シェア№1など。

 そんな企業とビモクリがどんな仕事をしているかというと、コーポレートコミュニケーション室(以下CCO)とコーポレートブランディングをテーマに仕事をしています。
 CCOは広報部と広告部の機能を併せ持つような部署です。3年前からのお付き合いで、昨年まではビモクリの「潜在価値開発」理論を使い、色々と実験的な試みをしてきましたが、今年になって本格展開を始めたという感じです。

 この堀場製作所がまた大胆な組織改革をして新市場を創造しようとしているのです。
 今までは産業別のセグメントという区分をしていたものを、提供機能という新しい括り方をして、新市場創造をしようという試みです。ちょっとイメージしづらいと思いますが、自動車・半導体など産業別の区分を水計測・ガス計測など機能別区分に括り直すというわけです。

 ただ言うは易く、行うは難し。実行には大変な困難が伴います。 手始めに、水計測分野。そのために、大胆な組織改革をしました。子会社に堀場本体の一部を分割し合併させるという「分割合併」という方法を取ったのです。

 対象となった堀場本体の社員や子会社の社員は大変です。急に水計測という新しい括り方をして、新しいカテゴリーを創造せよ、と言われたのですから。また人事的にも、堀場本体の社員は急に子会社に行けと言われ、子会社の社員にとっては親会社の社員がどっと来るので、どうなるんだろうと大変な不安が渦巻いていました。

 そこで、堀場本体の分割合併の担当者(なんと、40前後の女性ですぞ)とCCOの室長がどうしたらいいのだろうとビモクリに相談されたのです。

 そこで我々が提案したのが、「潜在価値開発」のステップを合併の対象となる社員と一緒にやってみるのはどうかということでした。「潜在価値開発」は新カテゴリーを創造する理論なので、全体の方向性も見えてくるし、それを共同でやる過程の中で、皆の気持ちを一つにできると思ったからです。

 潜在価値開発のステップは以前書いたように、




というものです。

 社員インタビューが始まりました。なんと、20人(通常のプロジェクトは6,7人)。私と一対一で1人2時間。人によっては、4時間かかりました。合計で48時間。 さて、どうなることやら。(次回に続く)